空室対策・収入アップ
空室対策は不動産オーナーにとって一番悩まされるところではないでしょうか。
入居していただくためには、不動産仲介会社などで(Ⅰ)物件(資料)を紹介してもらい、(Ⅱ)実際に物件を見てもらい気に入っていただくという2ステップがあります。
そこで、各ステップでどのような対策がとれるか考えてみましょう。
また他のマンションとの差別化ができれば、賃料を上げて募集することも可能になるでしょう。
Ⅰ. 不動産仲介会社に物件を紹介してもらう
数ある物件の中からあなたの物件をお客様に紹介してもらうためには、仲介会社の営業マンが「これなら紹介しやすい」「頑張って決めよう!」と思うようなアピールポイントを作り出すことが必要です。
一般的なアピールポイント
家賃を下げる、敷金・礼金無し
入居者にとってはメリットですが、不動産オーナーにとってはデメリットです。
入居者層が悪くなる、家賃滞納の可能性が高くなる、家賃を下げることで収入が減り銀行への返済が難しくなることがあります。
また、敷金を預かっていない場合、入居者が故意に破損・汚損した部分の補修費用を請求しても、退去した後では払ってもらえないこともあります。
不動産仲介会社に広告料を多く支払う
たいていの場合、営業マンは会社から売上の目標を設定されます。目標が達成できるかは給料などに影響を与える大きな要素なので、広告料を多く支払ってくれるオーナーさんの物件は営業マンのやる気がアップします。
ただし、お客様に紹介してもらえる機会は増えますが、物件に魅力が無ければ契約には至りません。
募集条件の見直し(ペット可、保証人不要)
ペット飼育可、保証人を不要にすることで入居者募集の幅を広げます。
しかし、ペット飼育可にした場合には、鳴き声や音、におい、汚れやキズの問題が発生するので、敷金は多めに預かったほうがよいでしょう。
また、以前から入居されている方の中には、ペットが苦手な方がいるかもしれませんので注意が必要です。
なお、保証人不要で募集する場合には入居の際に家賃保証会社の加入を条件とすることで、家賃滞納などのリスクを軽減させることができます。
差がつくアピールポイント
現地に鍵
お客様と物件を見に行くときは、数件まとめて見に行くことが多いのですが、案内用の鍵を何件も管理会社に借りに行くのは正直なところ手間がかかり面倒です。特に時間が無いお客様や、仕事帰りのお客様などいつでもすぐに案内してあげられるのが理想です。
そこで物件のパイプスペースなどに鍵を置いておくのも1つの方法です。
ただし、防犯上の問題もあるので暗証番号の設定ができるキーボックスを設置して、定期的に変更されることをおすすめします。
オーナーといつでも連絡がつく
物件を気に入ったお客様がいても、オーナーと連絡がとれず契約に至らないケースは意外と多いです。特に他府県から来られるような場合や、土日しか時間がないファミリーは時間との戦いです。
案内に行く前、現地から、案内後の条件交渉まで必要な時にオーナーとすぐ連絡がとれるかは契約に大きく影響します。
フリーレント
フリーレントとは、簡単に言えば「入居後〇ヶ月間は家賃無料!」といったものです。これは、引越しの予定はまだ先だけど他の人に部屋を取られたくない・・・といったお客様に特に効果的です。
契約だけは先にしておくことで、オーナーにとっても入居者を確保できるメリットがあります。
また、お客様にとっても、ゆっくり時間をかけて引越しができたり、数ヶ月間タダで住めるという大きなメリットがあります。
Ⅱ. 実際に物件を見てもらい、気に入っていただく
お客様が物件を内見している時間はだいたい5~15分です。この短い間に物件の良さを最大限アピールしなければなりません。
一般的なアピールポイント
内装をきれいにする
最近はインターネットで物件の室内写真を見ることができるようになっていて、事前に気になる物件を見つけてから不動産会社へ行かれる方も多くなっています。
「次の入居者が決まってから改装しよう」では、決まるどころか見に来てくれる機会すら逃しているかもしれません。
設備を入れ替える
オーナーにとってマンション経営はビジネスなので、無駄なコストをかけたくありません。しかし、物には寿命も流行もあります。一時的なコストが削減できても、入居者が何か月も決まらなければ家賃収入もありませんので、結果として大きな損失になってしまいます。
最新の設備を入れる必要はありませんが、目先のコストに振り回されて時代遅れの設備を入れるようなことは避けたいものです。
物件の管理
共用部分にゴミは落ちていないか、集合ポスト周辺にチラシが散乱してないか、自転車置場は整理されているかなど、地味なことかもしれませんが利用する入居者にとってはとても大切なことです。
物件を案内されたときに共用部分の管理がされていなければ、マンション全体のイメージが悪くなり、それだけで契約にたどり着く可能性は低くなるでしょう。
差がつくアピールポイント
モデルルーム
空室が複数ある場合にすべての部屋をリフォームしてしまうと、多額の修繕コストが必要になるにも関わらず、入居者はいつ決まるかわからないため資金繰りが大変です。
そこで1部屋だけ先行してリフォームをして、モデルルームを作ります。机や家具を置いてもいいかもしれません。こうすることで、お客様は改装後や入居後のイメージを描きやすくなり、オーナーの修繕コストも抑えられます。
クロスやクッションフロアが選べる
様々な理由から「次の入所者が決まってからじゃないと改装できない」ということもあります。改装されていない状態では、お客様が物件を見に来ても、契約に至る可能性は低いでしょう。
しかし、決して改装をしないと言っている訳ではないのです。
そこでこのような場合には、「壁紙(クロス)や床(クッションフロア)が今なら選べます!」といった売り文句にするのも手です。
最近は安価でお洒落なクロスやクッションフロアがたくさんありますから、通常の改装と比べてもオーナーの負担はほとんど変わりません。この方法は、前述のモデルルームと組み合わせても良いかもしれませんね。
スリッパ、メジャー、メモ用紙
物件を見に来られたお客様はどのようなことを考えて、どのような行動をとるのか想像したことはありますか?
室内を案内されるときは靴を脱ぎますが、まだ清掃前でほこりがあったり、冬は床が冷えていたり、夏は裸足で来られる方もいます。また、お客様は室内やキッチン周りを見て、自分の持っている家具やベッド、冷蔵庫などが入る寸法かを考えます。
そんな時にスリッパやメジャー、メモ用紙などさりげない心遣いであなたのマンションの印象が良くなるでしょう。
空気を循環、芳香剤
案内で玄関の扉を開けたとき、部屋の中がモワっとしていたり、下水のにおいが充満していることが多々あります。これでは、新生活を夢見ることはできません。
空気を循環させるため、案内前に窓を開けたり、玄関に香りの強くない芳香剤を置くなど工夫をしてみましょう。キッチンやトイレの水が蒸発しているときは一度水を流すだけでも効果があります。
また、トイレに「消毒済」のラベルがあるとそれだけで印象が全く違います。
その他
不動産仲介会社の見直し
入居者募集を1社に任せているが、なかなか決まらずアドバイスもない・・・。
決まらない理由は色々と考えられますが、このような場合には他の仲介会社にも募集をお願いすることをお勧めします。きつい言い方ですが、マンションの空室があなたにとっては死活問題でも、紹介物件がたくさんある仲介会社には関係ありません。信頼できるパートナーを見つけることが大切です。
流れを読む
いつの時代にも流行があります。それは募集条件であったり、間取りや設備など様々です。
あなたの考え方や価値観が古くても問題ありませんが、マンション経営となるとそういう訳にはいきません。入居者のニーズをつかむことは不動産経営者であるからには気を配っておきたいところですが、なかなか難しいこともあるでしょう。
そんな時はお客様のニーズに敏感な営業マンの話も聞いてみましょう。いつもは話半分で聞いている営業マンからのアドバイスも新鮮に聞こえるかもしれません。